SSJ Tech Lab - Oracle Database テクニカルラボ

root.sh実行時のTFAについて

対応バージョン

Oracle Database 12.2

2017-05-27記事公開

Unix系のOSやLinuxなどで、Oracle Databaseのソフトウェアインストール後にroot.shを実行するのがお決まりですが、Oracle Database 12cR2にて実行したところ、以下のメッセージが出力されました。(root.shではディレクトリの権限変更などの実施を行います。)

Oracle Trace File Analyzer (TFA)について構成するかの指定を促されており、デフォルトでは構成しない(no)が指定されていますが、入れるべきか判断できなかったため、内容について調査したものを記載します。

TFAについて

以下ホワイトペーパー(英語)が公開されていましたので、ホワイトペーパーをベースに説明をしていきます。

参考資料
http://www.oracle.com/technetwork/products/clustering/overview/tracefileanalyzer-2008420.pdf
Oracle Trace File Analyzer
Overview

TFAは障害発生時の診断データを収集するツールで、コマンドの実行により必要なデータの収集を行います。収集対象は必要なデータに絞られ、RACなどのシステムにおいてはリモートノードの収集も行います。また、機密データのマスキング機能があります。最新版のダウンロード、使い方などについては、以下のドキュメントを確認するように案内があります。

Document 1513912.1(MOSのログインが必要です)

対応するバージョン

サポートされているOracle Clusterware及びOracle Databaseのすべてのバージョンで利用可能です。
11.2.0.4及び、12.1.0.2では自動でインストール済みになりますが、3カ月に1回アップデートがあり、最新版は先述のDocument 1513912.1からダウンロードします。また、ダウンロードしたものには追加でホワイトペーパー内にあるSUPPORT TOOLS INCLUDEDの項目にあるツールが含まれます。主だったツールとしてはorachk、exachk(推奨項目や設定状態の正常性を見る)、OS Watcher(OSのリソース情報の取得)などがあります。

利用用途について

Oracleのサポートから、データ収集の依頼をされた場合、障害内容によって色々なデータの収集パターンがあります。サポートが依頼する必要なデータのことを、ホワイトペーパー上ではService Request Data Collection (SRDC)と呼称しています。TFAではこれらのデータを一回のコマンドで収集が可能となります。

ホワイトペーパー内の例として以下のコマンドで収集していますが、収集対象はそれぞれ異なります。例示された収集コマンドは、指定する文字からORA-04031とDatabaseパフォーマンス診断かと思います。

tfactl diagcollect -srdc ora4031
  • IPS Package
  • Patch Listing
  • AWR report
  • Memory information
  • RDA HCVE output
tfactl diagcollect -srdc dbperf
  • ADDM report
  • AWR for good period and problem period
  • AWR Compare Period report
  • ASH report for good and problem period
  • OS Watcher
  • IPS Package (if errors during problem period)
  • ORAchk (performance related checks)

インストールとアップデートについて

OracleRACの場合、全ノードにインストールする必要があります。ローカルインストールかSSH透過性を設定しインストールする必要があります。インストール後は透過性設定の削除が可能です。
それなりにログが出るため、インストールする場合は領域に余裕があることを確認してください。経験上5~6GB程度必要かと思われますが、正確な値はサポートに確認してください。

3カ月に1回アップデートがあり、PSU適用時に自動でアップデートされます。但し、Document 1513912.1からダウンロードした場合に追加で含まれるツール群については、PSUでアップデートされませんので、別途アップデートが必要です。アップデート方法は、ホワイトペーパー又は、Document 1513912.1を参照してください。

コメント

入れるべきかの結論としては、以下の内容よりどちらでも問題ないということになると思います。

  • 利用する場合は、殆どがMy Oracle Supportからのダウンロードとインストールが必要になる
  • 入れることにより何かあるわけではない
  • 後から導入が可能
  • 過去バージョンではデフォルトでインストール済み

rootユーザ以外でもインストール可能ですが、取得できる項目が少なくなるため、利用する場合はrootでのインストールが必須になると思われます。


関連記事

関連記事が存在しません