SSJ Tech Lab - Oracle Database テクニカルラボ

AWR概要

対応バージョン

Oracle Database 10.2 - 12.1

2016-03-20概要とスナップショットの設定に分割

2015-01-15記事公開

AWR(Automatic Workload Repository/自動ワークロード・リポジトリ)の概要について記載いたします。
保存期間の変更の記事については、以下を参照してください。
AWRスナップショット間隔と保存期間の設定

AWR概要

AWRは様々な統計値を記録し、分析用のレポートを出力することで性能分析を行う為のツールの総称です。
ある瞬間の瞬間の統計値の記録をスナップショットと呼び、各スナップショット間における統計情報の分析を行うためのレポートファイルの出力が可能です。
Enterprise EditionのDiagnostics Packライセンスにて使用可能な機能です。

以下のような内容がAWR内に保存されます。

  • ・データベース・セグメントのアクセス統計と使用統計を決定するオブジェクト統計。
  • ・アクティビティの時間使用に基づく時間モデル統計。V$SYS_TIME_MODELおよびV$SESS_TIME_MODELビューに表示されます。
  • ・V$SYSSTATおよびV$SESSTATビューで収集されるシステム統計とセッション統計の一部。
  • ・システム上で最大負荷を生成しているSQL文。経過時間やCPUタイムなどの基準に基づきます。
  • ・最新のセッション・アクティビティの履歴を表すASH統計。(すべての情報ではなく、フィルタリングがかかります。)

AWR内容のレポート化を行うことで、表などのセグメントに対するアクセスや、負荷の高いSQL、待機の多いイベント等が確認でき、SQLの性能改善に役立てることができます。
AWRの殆どのデータは、起動時に初期化される累積統計情報を扱っているため、再起動を行った期間を含むAWRレポートは出力することができません。

AWRの領域使用量

AWRの情報はSYSAUX領域に保存されます。保存量は主に以下の内容に左右されます。

  • ・特定の時点におけるシステム内のアクティブ・セッション数
  • ・スナップショット間隔
  • ・履歴データの保存期間

デフォルトでは、スナップショットは1時間に1回取得され、データベースに8日間保存されます。
これらのデフォルト設定では、同時アクティブ・セッション数が平均10の標準的なシステムの場合、AWRデータ用に約200から300MBの領域が必要になる可能性があります。

参考資料
http://docs.oracle.com/cd/E16338_01/server.112/b56312/autostat.htm
Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド
11gリリース2 (11.2)
B56312-06
5 自動パフォーマンス統計
5.2 自動ワークロード・リポジトリの概要
5.2.4 領域使用量